お子さんがリフティングを始めて少し経った頃、こんな場面を見たことはありませんか。ポンと上げた瞬間にボールが斜めに飛んでいく。あわてて追いかけて、また落とす。そのうちため息をついて「もういい」とボールを拾い上げる——。
できないことは悪いことではないのですが、何度やっても同じところで止まってしまうと、お子さん本人が「自分はリフティングに向いていないのかも」と感じ始めてしまうことがあります。
でも、リフティングが続かない理由はほとんどの場合、向き不向きではなく「技術のポイント」がわかっていないことにあります。コツを1つひとつ丁寧に押さえていくだけで、少しずつ変わっていきます。この記事では、よくある4つのつまづきポイントを順番に解いていきます。
リフティングは「蹴る」より「当てる」

リフティングを始めたばかりのお子さんはよく、ボールを思い切り「蹴り上げよう」とします。でも実は、強く蹴れば蹴るほどリフティングは難しくなります。
ボールを高く上げてしまうと、落ちてくるまでの時間が長くなり、次に当てる位置がずれやすくなります。リフティングはジャグリングと同じで、「大きく動かす」のではなく「コントロールして弾ませる」技術です。
大切なのは、足の甲の平らな面にボールの中心をそっと「当てる」感覚です。当てるだけで、ボールは自然に上がります。強く振らなくて大丈夫です。
むしろ力を入れると、ボールが想定外の方向に飛んでいってしまいます。「ポン」と軽く弾ませるイメージで試してみると、案外すんなり2〜3回続くことがあります。
リフティングが続かないお子さんへ
「続かない」と感じているお子さんに多いのは、「蹴る力が弱い」のではなく「毎回当たる位置が違う」ことが原因です。
少しでも当たる場所がずれると、ボールに余計な回転がかかったり、左右にぶれたりして、次が続かなくなります。力より精度の問題です。
当たる位置を安定させるためのポイントが3つあります。
ひとつめは、足の甲の硬い部分でボールの中心をとらえること。つま先でも土踏まずでもなく、靴ひもの上あたりの平らな面が一番安定します。ボールの中心の、やや真下をとらえるイメージだと、前に飛んでいかずにまっすぐ真上へ上がりやすくなります。
ふたつめは、低めに上げること。太ももの真ん中くらいの高さが目安です。高く上げるほど当てる難易度が上がります。「低くていい」と思えると、気持ちの余裕も生まれます。
みっつめは、ボールが当たる瞬間に、当てる足の膝をスッと伸ばして足の甲を平らに向けること。ずっと伸ばしっぱなしにするのではなく、当たる一瞬だけで大丈夫です。膝が曲がったままだと足の甲が傾いてしまい、ボールに横方向の力が加わります。このとき足首は、力を入れて振るのではなく、軽く形を保っておくと、面がぶれずにまっすぐ当たります。
そしてもう1つ、ボールをよく見ること。これは地味に大切です。リフティング中に視線が外れると、当たる位置のズレに気づけなくなります。
回数が増えないお子さんへ
「もっと回数を伸ばしたい」という気持ちが強くなると、焦りが生まれます。焦りが生まれると、動きが崩れます。そしてまた回数が伸びない——このループに入ってしまうと、練習が嫌になってきます。
まだ10回続かないお子さんには、「ノーバウンドリフティング」を頑張る前に、「ワンバウンドリフティング」から始めることをおすすめします。
やり方はシンプルです。手に持ったボールを地面に1回バウンドさせて、跳ね上がってきたところを足の甲で1回タッチ。そのままもう一度手でキャッチ。これを繰り返します。
地面が一度クッションになってくれるので、タイミングを合わせやすくなります。「ボールの中心を甲に当てる」という感覚だけに集中できます。慣れてきたら、1バウンド→タッチ1回ではなく、タッチを2回・3回と増やしていきます。
回数という目標は持ちにくいこともあります。「今日は同じ場所に当て続ける」「10分間続ける」「○回連続でワンバウンドを成功させる」など、回数以外の目標を作ると、達成感が出やすくなります。
楽しみながらやるのが、一番伸びます。これは本当のことで、楽しんでいる子は無理なく練習時間が増えていきます。
体の力が抜けない・リズムが取れないお子さんへ
「力を抜いて」と言われても、なかなか抜けない。そういうお子さんは多いです。
力を抜くための一番手っ取り早いコツは、意識を変えることです。「蹴る」ではなく「当てて弾ませる」。「上げる」ではなく「ポンポンと低く弾ませ続ける」。この言葉の置き換えだけで、自然と力が抜けていくことがあります。
リズムについても同じです。強く蹴って高く上がったボールが落ちてくるまで待つ、という動きをしているとリズムが作りにくくなります。低く・小さく・一定の間隔でトントンと弾ませ続けるほうが、リズムを保ちやすいです。
立っているほうの脚(軸足)の膝を、軽く曲げてクッションにするイメージも助けになります。力を抜くのは足首で、足そのものは大きく振らないこと。大きく振り上げなくていいと思えると、動き全体がコンパクトになって続きやすくなります。
焦って速くしようとするほど、ボールが不規則に飛んでいきます。「ゆっくり・低く・リズムよく」の3つを守ることが、長く続けるための基本です。
家でできる練習の入口
広い場所がなくても、部屋の中や玄関前でできる練習があります。
最初のステップはワンバウンドリフティングです。手でボールを持って地面に1回バウンドさせ、足の甲でタッチしてからキャッチ。これを繰り返します。タッチの回数を少しずつ増やしていくと、ノーバウンドへの橋渡しになります。
当てる場所は、足の甲の硬い部分でボールの中心を意識します。低めに(太もも真ん中くらいの高さが目安)、膝をピタッと伸ばして面を平らにするのがポイントです。
リズムは一定に。トントンと弾ませ続けるつもりで。速く回数を稼ごうとするより、同じ場所に当て続けることを意識したほうが結果的に伸びます。
目標は「回数」より「毎回同じ場所に当てられたか」に置くと、練習の質が変わってきます。毎日少しだけ、楽しんで続けることが大切です。狭い場所でも十分できるので、外に出られない日でも習慣にしやすい練習です。
技術だけじゃなく、体の使い方も関係してくる
「足の当て方はわかった、リズムも意識している、でもなかなか続かない」というお子さんに、もうひとつ伝えたいことがあります。
リフティングは足先の器用さだけで決まるわけではありません。体全体のバランスや、体の力み具合も影響してきます。
特に「力を抜こうとしても、どうしても体がこわばってしまう」というタイプのお子さんは、足先だけ緩めようとしても、うまくいかないことがあります。体全体がこわばっていると、足のタッチも連動してブレやすくなるからです。
体の力みが抜けて、重心が安定してきたことで、リフティングのタッチが落ち着いてきた——そういう変化を経験したお子さんがいます。プロ選手が日頃から体そのものを整えているのも、こうした背景があります。
体の使い方について、こちらも参考にしてみてください。
サッカーの体幹は固めると逆効果? サッカーで当たり負けしない体の作り方
体の軸が整うと、リフティングも変わる
足の技術を磨くと同時に、体の土台を整えることで動きが安定してくることがあります。
そのメリットをまとめた記事があります。
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