小学生のサッカーに体幹トレーニングは必要?プロ並みの筋トレより先に育てたい土台

小学生のサッカーに体幹トレーニングは必要?プロ並みの筋トレより先に育てたい土台 親の悩み

「コーチに体幹を鍛えなさいって言われたんだけど、小学生のうちからそんなに追い込んでいいの?」

親御さんからこういった声を聞くことがあります。子どもの体のことだから、何が正しいのか判断しづらいですよね。プロ選手がやっているようなトレーニングメニューを動画で見て、これを小学生にやらせていいのか不安になる方も多いようです。

結論から言うと、小学生の時期にプロと同じ内容で追い込む必要はありません。むしろこの時期は、それとは少し違う「土台」を育てることが先です。今回はその話をしていきます。

小学生にプロと同じメニューは必要ないって、本当?

小学生にプロと同じメニューは必要ないって、本当?

プロ選手の体幹トレーニングは、筋肉をしっかり追い込んで強くするためのものです。高強度の負荷をかけて、疲労と回復を繰り返すことで筋肉は育ちます。

ところが小学生の体は、大人と違うペースで成長しています。骨も筋肉もまだ発達の途中にあって、強い負荷に耐えられる準備が十分に整っていないことが多い。だから「大人と同じ強度で追い込む」のではなく、もっと別のものを先に育てるほうが、長い目で見てプラスになることが多いのです。

もちろん、「何もしなくていい」という話ではありません。体を使う機会を増やし、動きを通じて体を感じることはとても大切です。ただ、その内容が「追い込む」よりも「整える」方向のほうが合っているということです。

この時期に育てたいのは、実は筋トレじゃなかった

では小学生のうちに育てたいものは何か。大きく言うと「姿勢」「バランス」「体の使い方」の三つになります。

姿勢がいい子が伸びると言われる理由

姿勢というのは、ただ「背筋を伸ばしなさい」という話ではありません。立っているとき、動いているとき、体の重心がどこにあるかということです。重心が高くなっていたり、体が前のめりになっていたりすると、相手と接触したときにぐらっとくる。逆に重心が安定していると、同じ体格でも当たりに崩れにくくなります。

バランスも同じです。片方の足で立ったとき、体がふらふらするのか、どっしりと安定しているのか。これは筋力の問題というより、体の軸がどこにあるかの問題です。軸が整うと、少ない力でバランスを保てるようになります。

体の使い方は、これらを合わせたものです。足の力をどう地面に伝えるか、方向を変えるときに体をどう動かすか。この「力の伝え方」が身についている子は、体格差があっても当たりに強くなったという事例があります。プロ選手も幼い頃から特別な筋力があったわけではなく、この「体の使い方」を自然に身につけてきたケースが多いです。

体幹トレーニングをやらせても変わらなかった、という声を聞くことがあります。そのとき多いのが、「追い込む系の体幹トレ」は一生懸命やっているけれど、姿勢やバランスの土台が先に整っていない状態です。土台ができていないままどれだけ鍛えても、力がうまく使えない。これは積み重ねが難しい状態です。

親として家でできることがあります

難しいことをさせる必要はありません。道具も要りません。

一つ目は「片足で立つ時間をつくる」こと。歯磨きの間、テレビを見ている間など、日常のすき間で片足立ちをやるだけです。このとき、「体の中心に柱が通っている感じ」をイメージしてみてください、と伝えてあげるだけでも違います。ふわっとした感覚でいいので、体の軸を意識する機会をつくることが大切です。

二つ目は「足の指でしっかり地面をつかむ感覚」を確認すること。裸足で立ったとき、足の指が床をぐっとつかむようにできているか。足の指が浮いていたり、重心がかかとに偏っていたりすると、体全体が不安定になりやすいです。靴下を脱いで立たせてみるだけで確認できます。

三つ目は「ゆっくり動く練習」です。速く動くことより、ゆっくりした動作の中で体のバランスを感じることのほうが、軸の育ちには効果的です。片足でゆっくりしゃがんで立つ、左右にゆっくり体重を移動するといった動きが参考になります。激しく動くより地味に見えますが、体の使い方を感じるためにはこういった「ゆっくりした動き」が大事です。

これらは特別な練習というより、日常生活の中でできる「体の使い方に気づく機会」です。毎日10分も必要ありません。意識する瞬間があるだけで違ってきます。

力みが減るだけで、体への負担が変わる

力む、というのはどういう状態かというと、必要以上に筋肉が緊張している状態です。体をぎゅっとこわばらせて接触に備えているとき、力はうまく地面に伝わりません。逆に崩れやすくなることもあります。

また、力みが続くと体への負担が積み重なりやすくなります。体の使い方が変わって力みが減ると、同じ動きをしていても体への負担が和らいだという事例があります。これは体を「使う側」にとっても、無理なく動ける状態をつくることになります。

筋トレよりも前に、「力まなくてもいい体の使い方」を身につけることが、この時期の子どもにとっては有効だという考え方が現場にあります。

体の使い方が変わって、試合で崩れなくなった子の事例

あるお子さん(小学4年生)の話です。コーチから「体幹が弱い」と言われ、毎日プランクや腹筋をやらせていたものの、試合になると相手に当たられるたびに崩れていました。

その後、体の使い方を見直す機会があり、重心の位置とバランスを整えることに取り組んだそうです。劇的に変わったわけではありませんが、「前より簡単に吹っ飛ばされなくなった」「自分から接触を怖がらなくなった」という変化があったと聞いています。

筋力がついたというより、体の使い方が変わったことで当たりに対応できるようになった事例です。

体の使い方が変わってから試合での動きが変わった、という声を聞くことがあります。

FAQ

Q: 小学生のサッカーは毎日練習したほうがいいですか?

毎日体を動かすこと自体は悪いことではありませんが、技術練習の前に体の使い方の土台をつくることが先です。土台がないまま技術だけ積んでも、ある段階で限界がくることがあります。量より「何を育てているか」を意識してあげることが、長期的には子どものためになるかもしれません。

Q: 小学生に体幹トレーニングは必要ですか?

プロと同じ追い込む筋トレは不要です。それより、姿勢とバランスを育てる動きから始めた方がいいです。体幹トレーニングをやること自体は悪くないのですが、「固めて鍛える」より「動きの中で軸が働く土台をつくる」という方向が、小学生のうちは合っています。

体幹を鍛えることが悪いわけではありません。ただ、小学生の時期に大切なのは「追い込む前に整える」という順番の話です。

姿勢・バランス・体の使い方。この土台が育ったうえで技術や筋力が積み重なると、力が発揮されやすくなります。逆の順番では、頑張っているのに変わらないということが起きやすいです。

難しいことをする必要はありません。日常のなかで、ちょっとだけ「体の使い方を感じる時間」をつくってあげてください。

気になる動きがあれば、まず試してみてください。実際に体を動かして確かめてみることが、いちばん早いです。

体の使い方について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。

→ サッカーで当たり負けしない体の作り方 → サッカーの体幹は固めると逆効果?使える軸の話

体の使い方を体験してみたい方へ

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