あの子は何が違うんだろう、とサッカーの試合を見ながら思ったことはないですか。うちの子もそうなれるのかなと。
低学年のころはそこそこだったのに、5年生になったら急に試合で目立つようになった。逆に、ずっとエースだった子が4年生あたりから伸び悩んでいる。そんな場面を目にしたことがある親御さんは少なくないと思います。
何が違うのかはよくわからない。そういう気持ちで夜にスマホを開いている方に向けて、この記事を書いています。
「化ける子」って何が違うんだろう、と思ったあの日のこと

チームの試合を観ていたあるお母さんから聞いた話があります。
息子さんは4年生まで、どちらかというと目立たない選手でした。足が速いわけでもなく、体格が大きいわけでもない。ところが5年の夏を過ぎたあたりから、急に動きが変わったそうです。当たりに負けなくなって、ボールを持ったときに落ち着きが出てきた。コーチから声をかけてもらう場面も増えた。
お母さんは「何かをやらせたわけではない」と言っていたそうです。でも変わったことがひとつあって、それは体の使い方を意識するようになった、ということでした。
こういった話は、少年サッカーの現場では珍しくありません。ある時期に動きが変わって、急に伸び始める子の事例は各地で見られます。そしてその多くに、ある共通点があります。
技術より先に変わったのは、体の使い方だった
「化けた子」と聞くと、もともと才能があったんだろうと思いがちです。でも実際には、技術が急に上手くなったわけでも、才能が開花したわけでもないケースが多いようです。
変わったのは、体の使い方でした。
もう少し具体的に言うと、「力の伝え方」です。蹴るとき、走るとき、当たりに行くとき。こういった場面で体全体の力がうまく使えているかどうか。これが変わったタイミングで、プレーの質が変わったという事例が見られます。
よくある話として、棒立ちのまま体を固めてしまう子がいます。ボールを取りに行くとき、相手と競り合うとき、自然と体がかちかちになってしまう。こうなると力が逃げてしまって、相手の押しにも弱くなります。
逆に、力みが少なくなって体の重さをうまく使えるようになったとき、同じ体格でも当たりに強くなったり、ボールを受けたときに安定感が出てきたりすることがあります。才能が変わったわけではなく、体の使い方が変わったわけです。
化けた子に共通していたのは、この2つでした
少年サッカーの現場で伸びる子を観察していると、ふたつの共通点が見えてきます。
重心が安定している子の動き方
ひとつは、重心が安定していることです。どっしりと地面に根を張るような感覚と言うとイメージしやすいかもしれません。当たりに来られても、体の中心がぶれにくい。だから崩れにくいし、崩れてもすぐ戻れる。
棒立ちになっていると、体の高さが高くなりやすく、ちょっとした接触でもぐらっとしてしまいます。重心が安定している子は、そもそも崩れるまでに時間がある。その分、プレーの判断に余裕が生まれます。
力みが少ない子がプレーの中でしていること
もうひとつは、動きの中で力みが少ないことです。これは一見「力が抜けている」ように見えることもあります。でも実際は、必要な場面で必要な力が使えているということです。
力んだ状態では、体は動きにくくなります。筋肉が固まると反応が遅くなるし、体全体の連動が崩れます。力みが少ない子は、体の各部位がバラバラに動くのではなく、全体がひとつにまとまって動きやすい状態にあります。これが姿勢の安定や、ボールへの反応速度に影響します。
でも、体の使い方は変えられます。才能の話じゃなくて、体の動かし方の話なんです。
今うまくない子でも変わることがある
「うちの子は才能がないから仕方ない」と感じている親御さんに、伝えたいことがあります。
体の使い方の話は、才能論とは別の話です。技術の話です。
重心の安定は、生まれ持った体格や運動神経で決まるものではありません。体の使い方を変えることで、結果として安定感が出てくる。力みも、意識や練習の積み重ねで変わっていく。そういう事例は、少年サッカーの現場に数多くあります。
4年生までは目立たなかった子が、体の使い方を変えてから試合での存在感が増した。当たり負けが減って、プレーが落ち着いてきた。こういった変化が、体の使い方を変えることで起きた、という事例があります。
伸び悩んでいる子を見ると、親御さんは「もっと練習させなければ」と焦ることがあります。でも練習量を増やす前に、体の土台を確認するという視点が、実は大事なことがあります。
どれだけ技術練習を積んでも、体の使い方の土台が整っていないと、力が逃げたままになってしまいます。逆に言うと、土台が変わると技術の積み上がり方も変わってくるわけです。
焦って追い込む前に、見てあげてほしいことがある
お子さんが伸び悩んでいるとき、親としてできることは何でしょうか。
まず、追い込むことより体の使い方を見てみることをおすすめしたいと思います。
試合でうまくいかなかった場面を思い出してみてください。当たり負けしたとき、子どもの体はどんな状態でしたか。棒立ちになっていませんでしたか。ボールを受けたとき、体がかちかちに固まっていませんでしたか。
こうした場面でのフォームや重心の位置は、注意深く観ると親からでも気づけることがあります。体が高い・突っ立っている・力んでいる。こういった様子が見えたとき、技術練習の前に体の使い方という視点を持ってみることが、子どもの成長に効いてくることがあります。
また、コーチに相談するときも「もっと練習させてほしい」より「体の使い方を見てもらえますか」という聞き方のほうが、具体的なアドバイスをもらいやすいことがあります。
体の土台が変わると、練習の積み上がり方も変わります。化けるきっかけは、練習量でなく「体の使い方が変わった瞬間」にあることが多いです。急がず、焦らず、土台から見直すという関わり方が、結果として子どもの成長を後押しすることがあります。
当たりに強くなる体の使い方については、こちらの記事でも詳しく書いています。
上達しない子の親御さん向けに、体の土台という視点を整理した記事もあります。
→ 練習しているのに上達しない・当たりに負ける子を見ているお父さんお母さんへ
よくある質問
Q. サッカーで化ける子の特徴は?
共通しているのは、特別な才能よりも体の使い方・重心の安定です。ある時期に動きが変わって伸び始めた子の事例が、少年サッカーの現場では多く見られます。
Q. うまくなる子とうまくならない子の違いは?
技術の差より、力の伝え方・体の土台の差が出やすいという見方があります。練習量が同じでも、体の使い方が違うと積み上がり方に差が出ることがあります。
Q. 上手くならない子の特徴は?
練習量よりも体の使い方に課題があるケースが多いです。棒立ちになりやすい・力みが抜けにくいといった状態は、技術練習の前に体の土台から見直すことで変わる可能性があります。詳しくはこちらの記事もご参照ください。
→ 練習しているのに上達しない・当たりに負ける子を見ているお父さんお母さんへ
体の使い方を実際に確認してみたい方はこちらからどうぞ。

